品質管理とは?メーカーにおける役割
品質管理(QC:Quality Control)は、
「決められた品質を、日々の生産の中で安定して出し続ける仕組みづくり」
を担う仕事です。
- 原材料・部品の受け入れ検査
- 工程内の抜き取り検査・測定
- 出荷前検査・最終検査
- 不良発生時の原因分析・対策フォロー
などを通じて、工場で作られる製品の品質を「安定させる」ことがミッションです。
品質管理の具体的な仕事内容
会社・製品によって差はありますが、代表的な業務内容は次のようなものです。
1. 受入検査・工程内検査・出荷検査
- 受入検査:仕入れた材料・部品が規格どおりか確認
- 工程内検査:製造途中の寸法・外観・性能の確認
- 出荷検査:出荷前の最終チェック
検査の頻度やサンプル数は、
- 図面上の規格
- 過去の不良傾向
- 顧客との取り決め(品質基準)
などをもとに決めます。
2. 測定・記録・データ管理
- ノギス・マイクロメータ・三次元測定機などを用いた寸法測定
- 外観検査、機能検査、耐久試験など
- 検査結果の記録・統計処理(ヒストグラム、管理図 など)
品質管理では、「勘」ではなく
データに基づいて工程の状態を把握することが重要です。
3. 不具合発生時の原因分析・現場フォロー
- 不良品の回収・現物確認
- 発生場所・条件・頻度の把握
- 原因分析(4M、特性要因図、なぜなぜ分析 など)
- 製造・生産技術・設計と連携して対策を検討・実行
品質保証(QA)が「対外的な窓口」になることが多いのに対し、
品質管理は現場に入り込んで不良の原因を潰していく立ち位置です。
4. 検査標準・作業標準の整備
- 検査方法・判定基準を文書化
- 写真付きの基準書・限度見本の作成
- 作業者への教育・指導
ここが曖昧だと、「人によってOK/NGが変わる」という状態になり、
品質が安定しません。
品質管理と品質保証の違い(ざっくり整理)
よく混同されるので、ここで一度整理しておきます。
- 品質管理(QC)
→ 工場の中で「品質を作り込む」「安定させる」仕事
→ 検査・測定・現場フォロー・データ管理が中心 - 品質保証(QA)
→ 顧客・社外に対して「品質を約束する・説明する」仕事
→ クレーム対応・監査対応・品質マネジメントシステムの運用などが中心
このページではQC(品質管理)に焦点を当て、
QA(品質保証)は別の記事で詳しく解説します。
品質管理の1日のイメージ
例として、工場内品質管理担当のざっくりした1日です。
- 午前:
- 前日の不良データ確認
- 受入検査・工程内検査
- 現場からの「ちょっと見てほしい」相談対応
- 午後:
- 測定結果の集計・分析
- 不良発生時の現場確認・原因分析ミーティング
- 検査基準書の更新・教育資料作成
日によって、現場に出ている時間が長い日と、
デスクワーク中心の日が分かれてくるイメージです。
品質管理の転職市場と年収イメージ
品質管理は、多くのメーカーで一定以上のニーズがある職種です。
- 自動車・自動車部品
- 電機・電子部品・半導体
- ゴム・樹脂・化学
- 食品・医薬・日用品 など
「工場があるところには、ほぼ必ず品質管理ポジションがある」と言っても良いくらいです。
年収レンジの目安としては、
- 20代:350〜650万円前後
- 30代:500〜1,000万円前後
- 40代以降:500〜1,500万円前後(係長〜課長クラス)
といったケースが多いです(業界・企業規模によって変わります)。
転職市場で評価されるスキル・経験
品質管理の転職で評価されやすいポイントの例です。
- 製造現場での検査・測定・評価の実務経験
- 寸法測定・外観検査・機能検査など、どんな検査をしてきたか
- 不良率・歩留まりなどのデータ集計・分析経験
- QC七つ道具・統計的品質管理(管理図など)の理解と活用経験
- 製造・生産技術・品質保証と連携した改善活動の経験
特に、以下のような「成果」を数字で語れると強いです。
- 不良率を○%→○%に改善した
- 検査時間を○%短縮し、検査工数を削減した
- 測定方法・基準見直しにより、手戻り・判定ブレを削減した
品質管理に向いているタイプ
品質管理の仕事に向いているのは、例えばこんなタイプです。
- こまかい数字や条件の違いに気づける人
- コツコツとした測定・データ取りが苦にならない人
- 「なぜこうなったのか?」を突き止めるのが好きな人
- 現場の人とも、設計・生産技術とも、フラットに話せる人
- 感覚ではなく、事実・データで話したい人
逆に、
- 毎日やることが大きく変わる仕事が好き
- とにかく新技術に触れていたい
という人は、開発やDX寄りの職種のほうが合うケースもあります。
他職種・未経験から品質管理への転職
次のようなバックグラウンドの人は、品質管理職への転職余地があります。
- 製造オペレーター・ラインリーダー
- 検査・評価業務(派遣・請負含む)の経験者
- 生産技術や設備保全など、現場に近い職種からのシフト
その場合は、
- 測定器の使用経験
- 図面・規格の読み方
- 不良・トラブル対応の経験
などを具体的にまとめておくと、
「育てれば品質管理として戦力になりそう」と評価されやすくなります。
品質管理のキャリアパス
品質管理として経験を積んだあと、次のようなキャリアパスが考えられます。
- 工場内品質管理リーダー・係長・課長
- 品質保証(QA)へのキャリアチェンジ
- 生産技術や製造マネージャー職へのステップアップ
- 本社品質部門(全社品質企画・グローバル品質統括など)
特に、
品質管理(現場寄り) → 品質保証(対外・企画寄り)
という流れは、多くのメーカーで見られるキャリアパターンです。
🔍 自分の品質管理の経験が、
どの業界・どのポジションで一番評価されるのか知りたい方、
あるいは「品質保証に行くべきか、別職種に広げるべきか」迷っている方は、
キャリア相談 で、経験の棚卸しとキャリアの方向性を一緒に整理していきましょう。

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