メーカーで求められるソフト・IT・DX系職種とは?
メーカーと聞くと「機械・電気・生産技術」といったイメージが強いですが、
ここ数年で最もニーズが伸びているのがソフト・IT・DX系の職種です。
- 組み込み・制御ソフトウェアエンジニア
- 社内SE(工場システム・基幹システム)
- 工場DX・スマートファクトリー推進
- データ活用・BI・IoTエンジニア
など、かつてはIT企業が中心だったポジションが、
「メーカー側の中に」求められるようになってきています。
背景にあるのは、
- 製品そのもののソフトウェア化・サービス化
- 工場・サプライチェーンのデジタル化・自動化
- グローバル競争の中での“開発スピード”と“品質”の両立
といった流れです。
なぜ今、メーカーでソフト・IT・DX人材のニーズが高いのか
メーカーのソフト・IT・DXニーズは、大きく次の3つの軸で高まっています。
- 製品のソフトウェア化・コネクテッド化
- 自動車のECU・ADAS・自動運転
- 家電・産業機器のクラウド接続・アプリ連携
- サブスクリプション型サービスとの組み合わせ など
- 工場のスマートファクトリー化
- IoTセンサーによる設備・品質モニタリング
- MESや生産管理システムの刷新
- ロボット・自動倉庫・AGV などの導入・連携
- 全社的なDX・データ活用
- 基幹システム(ERP)の入れ替え・統合
- PLM・SCM・CRM などのシステム連携
- 経営判断のスピードを上げるためのデータ基盤整備
以前は「外部ベンダーに丸投げ」していた領域でも、
「自社の中にきちんと分かる人を置きたい」
「システムを“作る側”ではなく“使い倒す側”の視点で企画できる人が欲しい」
というニーズが増えています。
主なソフト・IT・DX系職種の種類
ここでは、メーカーでよく募集されるソフト・IT・DX系職種を整理します。
1. 組み込み・制御ソフトウェアエンジニア
役割:
製品の中に組み込まれるソフトウェア(マイコン制御・ECU・ファームウェアなど)を開発する職種です。
- 車載ECUやADAS制御
- モーター・センサー・アクチュエータの制御
- 家電・産業機器の動作ロジック・安全制御
など、「ハードウェアをどう動かすか」をソフト側から設計していきます。
よくある開発環境・スキル:
- C/C++、場合によってはRustやPython
- RTOS、Linux、AUTOSARなどのプラットフォーム
- CAN、Ethernet等の通信プロトコル
- モデルベース開発(MATLAB/Simulink)
転職市場の特徴:
- ニーズはかなり高いが、人口自体が少ないため、経験者は引く手あまた
- 自動車・産機・医療機器など、製品分野をまたいだ転職もしやすい
- 年収レンジは、20代で450〜750万円、30代で550〜1,000万円前後(企業規模・地域による)
2. 社内SE(工場システム・基幹システム)
役割:
メーカー内の情報システム・工場システムを企画・導入・運用するポジションです。
- 生産管理・在庫管理・品質管理システムの企画・導入
- 基幹システム(ERP)や会計システムの入れ替え・運用
- 社内ネットワーク・PC・サーバの管理
- 外部ベンダーとの折衝・要件定義
など、「現場とベンダーの橋渡し役」になることが多い職種です。
求められる要素:
- システムの技術知識(OS/DB/ネットワーク など)
- 要件定義・ベンダーコントロールの経験
- 現場(工場・営業・管理部門)の業務理解
転職市場の特徴:
- いわゆる「情シス」からの転職、SIer・ITベンダーからの転職が多い
- メーカー未経験OKの求人も増えており、「業務知識は入社後キャッチアップ」というスタンスの会社もある
- 年収レンジは、20代で400〜750万円、30代で500〜1,000万円前後がボリュームゾーン
3. 工場DX・スマートファクトリー推進
役割:
工場や生産ラインにおける「デジタル化・見える化・自動化」を推進する職種です。
- IoTセンサー・PLC・ロボットからのデータ収集
- MESや生産管理システムとの連携
- 設備の稼働率・不良率の見える化ダッシュボード作成
- DXプロジェクトの企画・推進・社内調整
「工場を丸ごとアップデートしていくプロジェクト」の中で動くイメージです。
求められる要素:
- 生産技術・設備・品質など工場側の業務理解
- PLC・制御機器・産業ネットワークへの理解
- IoT・クラウド・データベース・BIツールなどのIT知識
- プロジェクトマネジメント・調整力
転職市場の特徴:
- 生産技術・設備保全出身で、ITに強い人はかなりレアで高評価
- 逆にITエンジニア出身で「工場現場を理解したい」というキャリアチェンジも増加中
- 年収は、経験やプロジェクト規模によってバラつきが大きいが、30代で600〜900万円レンジも十分に狙えるゾーン
4. データ活用・BI・IoTエンジニア
役割:
製造・品質・在庫・販売など、メーカー内に蓄積されたデータを活用し、
意思決定や改善に役立てる職種です。
- 生産・品質データの集計・分析
- 需要予測や在庫最適化モデルの構築
- 経営ダッシュボード・BIレポートの作成
- データ基盤・DWH・データマートの設計
など、「データを見える化して、現場の改善につなげる」のがミッションです。
求められる要素:
- SQL、Python などを用いたデータ処理スキル
- BIツール(Tableau、Power BI など)の経験
- 統計・機械学習の基礎知識(使いこなせれば尚良し)
- データの意味を理解するための業務理解
転職市場の特徴:
- Web・IT業界だけでなく、メーカーでも募集が増えている
- 「データ分析だけ」ではなく、「分析結果を業務改善に落とし込めるか」が評価の分かれ目
- 年収レンジは500〜1,000万円程度がボリュームゾーン(ポジション次第で幅広い)
ソフト・IT・DX系に向いている人の特徴
メーカーのソフト・IT・DX系職種に向いているのは、例えばこんなタイプです。
- コードを書くのが好き or 技術を触るのが好き
- 「仕組みで解決する」「自動化する」ことにワクワクする
- 現場の課題を聞いて、ロジカルに整理するのが得意
- 新しいツールや技術に抵抗がない
- ハード・現場・ビジネスと、ITをつなぐ役割に興味がある
逆に言うと、
「決まった仕事だけを淡々とこなしたい」
「変化の多い環境はあまり好きじゃない」
というタイプだと、DX系ポジションはストレスに感じる場面もあるかもしれません。
他の職種からソフト・IT・DX系にキャリアチェンジできるか?
結論から言うと、
「十分に可能。ただし“何を武器にするか”を明確にしたほうが良い」
です。
生産技術・設備・品質からの転換
- 工場の現場をよく知っている
- 設備・ラインの構成が頭に入っている
という強みは、DX推進・工場システム導入の現場でとても重宝されます。
そのうえで、
- PythonやSQLなど、データを扱う最低限のスキル
- IoT・クラウド・ネットワークの基礎知識
を身につけておくと、「現場×IT」の掛け算人材として評価されやすくなります。
ITエンジニアからメーカー側への転換
- SIer・SES・自社開発企業での開発経験
- インフラ・アプリ・データ基盤などの知識
を持つ人が、「ユーザー側(メーカー側)に回りたい」と希望するケースも増えています。
この場合は、
- 製造業のビジネスモデル・サプライチェーンの勉強
- 生産管理・品質管理などの基本的な業務知識
を押さえておくことで、社内SE/DX推進ポジションへの転職成功率が上がります。
ソフト・IT・DX系でキャリアを作るときのポイント
メーカーでソフト・IT・DX系職種としてキャリアを作っていく場合、
- 「プロダクト側(組み込み・製品ソフト)」でいくのか
- 「工場・現場側(DX・社内SE)」でいくのか
- 「データ・分析側(BI・データエンジニア)」でいくのか
というキャリアの軸を早めに意識しておくことが大切です。
どの軸も今後ニーズが高い領域ですが、
- 関わるメンバー(現場・経営・営業 など)
- 必要とされるスキルセット
- 将来のキャリアパス(マネジメント/スペシャリスト)
が少しずつ違ってきます。
🔍 自分の経験から考えると、どの軸が一番相性が良いのか?
どんなポジションなら「年収UP+やりがい」を両立しやすいのか?こういった整理をしたい方は、キャリア相談 で、
経験の棚卸しとポジション選びの方向性を一緒に言語化していきましょう。

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