日本の転職市場は「構造的な人手不足」の時代へ
2024〜2025年の日本全体の転職市場は、一言でいうと、
「構造的な人手不足の中で、採用も転職も活発」 な状態が続いています。
厚生労働省の統計では、2024年度の有効求人倍率(求人数÷求職者数)は平均でおよそ 1.25倍前後。
求職者100人に対して求人が125件あるイメージで、コロナ前ほどの“過熱”ではないものの、
依然として 仕事の数が人より多い=売り手寄り の状況です。
失業率も2%台半ばの低水準で推移しており、
「辞めても次が見つかる前提」でキャリアを考える人が確実に増えています。
企業側も「中途採用前提」の採用設計にシフト
かつては「新卒一括+終身雇用」が前提でしたが、
今は多くの企業が “キャリア採用を前提にした組織づくり” に変わってきています。
各種調査でも、
- 中途採用を「継続的に行っている」企業が増えている
- 転職活動をしている人の中心は 30代(次いで20代後半)
- 1社だけでなく複数社を比較しながら動くのが当たり前
といった傾向が出ており、
「常に中途採用を行っている会社」と
「転職を意識して情報収集している個人」が、
常時マーケット上で出会っている構図になっています。
また、各種転職サイトやエージェントのデータでも、
有効求人倍率が1を下回らない状態が長く続いており、
全産業で人手不足感が続いている ことが示されています。
業界別の転職動向:ITだけでなく製造業も“攻め”に転じている
業界別に見ると、
- IT・通信・インターネット
- 建設・不動産
- 医療・介護
などは相変わらず求人が多く、転職市場をけん引しています。
一方で、以前は「保守的」「中途採用が少ない」と言われがちだった
メーカー・製造業 も、
- 設備投資や生産拠点の再編
- EV・半導体・クリーンエネルギーへのシフト
- 工場DX・自動化(IoT/ロボット/データ活用)
といったテーマで、経験者の中途採用を積極的に行う企業が増えている 状況です。
この「メーカーの動き」については、
次の章で メーカー転職市場の現状 をさらに詳しく解説します。
年齢・キャリアレンジ別の特徴
日本全体の転職市場では、以前のような
「20〜30代だけが主役」という状況ではなくなってきました。
- 20代:初めての転職・ポテンシャル採用ニーズ
- 30代:マネジメント前後層として もっとも転職活動が活発
- 40〜50代:これまで敬遠されがちだったが、
専門性やマネジメント経験を買う ミドルシニア採用 が増加
少子高齢化で若手がそもそも足りないこともあり、
「若手だけに頼らず、即戦力を年齢に関係なく採る」
という方向へ舵を切る企業が増えています。
賃上げと人手不足が「転職しやすさ」を後押し
ここ数年、日本では大企業を中心に 賃上げの流れ が続いています。
インフレによる生活コストの上昇や人材争奪戦の影響で、
- 給与テーブルを見直す企業
- 中途採用の提示年収を引き上げる企業
が増えてきました。
その結果、転職によって年収を上げやすい環境 が少しずつ整いつつあります。
もちろん誰でも自動的に年収アップできるわけではありませんが、
「市場の追い風」を活かせる人とそうでない人の差は広がっています。
まとめ:全体市場を踏まえてメーカー転職をどう見るか
ここまでのポイントを整理すると、現在の日本の転職市場は:
- 有効求人倍率は1を上回り、構造的な人手不足が続いている
- 中途採用は当たり前になり、20〜50代まで幅広くキャリア採用が行われている
- 賃上げと人材争奪戦により、転職で条件改善を目指しやすい環境 ができている
という流れにあります。
この「全体市場の流れ」を踏まえたうえで、
次の章では メーカー(製造業)に絞った転職市場の特徴 を、
さらに具体的に解説していきます。

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