機械設計とは?メーカーにおける役割
機械設計は、自動車・産業機械・ロボット・家電など、
「モノの形と動き」を決める中心的な仕事です。
- どんな構造にするか
- どんな材料を使うか
- どのくらいの強度・精度が必要か
- どうやって組み立てるか・メンテするか
といったことを、図面や3Dモデルに落とし込みながら設計していきます。
単に“図面を引く仕事”ではなく、
「安全に動く」
「壊れにくい」
「作りやすい」
「コストに見合う」
を同時に満たしながら、製品の仕様を形にしていくポジションです。
機械設計の具体的な仕事内容
会社や製品によって細かい違いはありますが、仕事の流れは大きく次のようなイメージです。
1. 仕様・要件の整理
- 営業・企画・顧客・上位部門からの要求仕様を確認
- 「どんな機能を、どのコスト・サイズ・納期で実現するか」を整理
- 関係部門(電気設計・生産技術・品質など)との事前すり合わせ
2. 構想設計
- 過去の類似製品・他社事例・標準部品などを参考に、全体構造を検討
- 駆動方式(モーター/シリンダー/リンク機構 など)、配置、レイアウトを決める
- 強度・耐久性・安全性・メンテ性・コストなどのバランスを考えながらアイデアを形にする
3. 詳細設計
- 3D CAD で部品ごとの形状・寸法・公差を詰める
- 材料選定(鉄・アルミ・樹脂など)や表面処理・熱処理の検討
- 干渉チェック、組立性の確認、分解性・保守性のチェック
- 必要に応じて強度計算・CAE解析(応力・振動・熱 など)
4. 図面作成・レビュー
- 2D図面の作成、寸法・公差・表面粗さなどの指示
- 社内標準・JIS・ISOなどのルールに合わせた製図
- 同僚・上司・関係部門を交えた設計レビューの実施
5. 試作・評価対応
- 試作品の組立・評価に立ち会い、問題点を洗い出す
- 不具合の原因を分析し、設計変更・対策を行う
- 評価結果を踏まえた構造見直し・強度アップ・軽量化などの改善
6. 量産立ち上げ・コストダウン
- 生産技術・製造部門と連携し、量産ラインで問題なく作れるようサポート
- 生産中に見つかった問題(不良・組立工数・工法の難しさなど)の改善
- 部品点数削減や材料見直しによるコストダウン検討
このように、機械設計は企画〜試作〜量産まで製品ライフサイクルの多くのフェーズに関わる仕事です。
機械設計が関わる代表的な製品例
- 自動車部品・車体・内装・シャシ・足回り
- 産業機械(工作機械・搬送装置・産業ロボット・専用機 など)
- 建設機械・農業機械・建材関連機器
- 家電製品・事務機器・医療機器・精密機器 など
同じ「機械設計」でも、
小型・高精度の精密機器を見るか、大型の重装置を見るかで、求められる感覚やスキルもけっこう変わります。
1日の仕事のイメージ
ざっくりとした1日の流れイメージはこんな感じです。
- 午前:
- メール・打合せで仕様確認・タスク整理
- CADでの設計作業、解析結果の確認
- 午後:
- 生産技術や品質と仕様・不具合について打合せ
- 試作立ち会い・組立現場の確認
- 修正設計・図面反映
プロジェクトのフェーズによって、
- ひたすら設計・図面の時期
- 打合せと試作対応が多い時期
- 量産トラブル対応が多い時期
など、比重が変わります。
機械設計の転職市場と年収イメージ
機械設計は、メーカーの中でも常に一定以上のニーズがある職種です。
- 自動車・自動車部品メーカー
- 産業機械・ロボット・工作機械メーカー
- 建機・農機・インフラ関連機器メーカー
- 家電・精密機器メーカー
など、業界をまたいで求人があります。
年収レンジのイメージ(あくまで一例)は、
- 20代:400〜700万円前後
- 30代:500〜1,000万円前後
- 40代以降:600〜1,500万円前後(管理職・ハイレイヤーはそれ以上もあり)
といったケースが多いです。
同じ「機械設計」でも、
- どの業界・製品を扱うか
- 構想〜詳細〜量産までどこまで担当しているか
- マネジメント/リーダー経験があるか
によって、年収レンジは大きく変わります。
転職市場で評価されるスキル・経験
機械設計で転職を考えるとき、よく評価されるポイントは次のようなものです。
- 使用してきたCADツール(例:CATIA、NX、SolidWorks、Inventor など)
- 担当してきた製品分野(自動車・産機・家電・精密機器など)と規模感
- 構想設計〜詳細設計〜試作〜量産のどこまで関わってきたか
- 強度・剛性・振動・熱など、得意としている物理分野
- 具体的な改善実績(軽量化○%、コストダウン○%、不良率低減など)
- 生産技術・品質との連携を通じた「作りやすさ」を意識した設計経験
特に、以下のようなエピソードがあると強いです。
- 「○○の不具合を、構造見直しで△%低減した」
- 「治具設計を見直して、組立工数を○分削減した」
- 「部品点数削減と材料変更で、コストを○%削減した」
機械設計に向いているタイプ
機械設計は、例えばこんなタイプに向いています。
- 図面・3Dモデルを見るのが好き、形を考えるのが好き
- モノの動き・構造・力の流れをイメージするのが得意
- コツコツと検討を積み重ねる作業も苦にならない
- 現場(工場)を見るのが好きで、実物に触れながら考えたい
- 人の使い方・安全性・メンテナンス性などを想像して設計したい
逆に、
- 「とにかく最新技術・ソフトウェアだけに触れていたい」
- 「現場や組立を見るのはあまり好きじゃない」
というタイプだと、別の職種(ソフト・IT・DX系など)のほうが合うケースもあります。
他職種・未経験から機械設計へ転職できるか?
完全未経験から機械設計に入るのは簡単ではありませんが、次のようなケースではチャンスがあります。
- 高専・工学部(機械系)出身で、別職種にいる人が設計に戻りたいケース
- 生産技術・保全などで設備・治具に触れてきた人が、設計側に回りたいケース
- CADオペレーターとして図面作成をしていた人が、設計検討もやりたいケース
その場合は、
- 3D/2D CADの基本操作
- 機械要素(ねじ・軸・ベアリング・ギアなど)
- 材料・強度の基礎
などを押さえながら、
「なぜ設計側に行きたいのか」
「今の経験が設計にどう活きるのか」
をはっきり言語化できると、選考の通過率は上がります。
機械設計のキャリアパス
機械設計として経験を積んだあと、キャリアは大きく分けて次のような方向に広がっていきます。
- 特定分野(サスペンション・ロボットアーム・精密機構など)のスペシャリスト
- 設計チームをまとめるリーダー・マネージャー
- 上流の製品企画・アーキテクトへシフト
- 生産技術・品質・技術営業など、近い職種へのキャリアチェンジ
いずれの道に進むにしても、
「どの製品分野で、どんな価値を出せる設計者になりたいか?」
というキャリアの軸を早めに持っておくと、転職・社内異動の選択肢が増えます。
🔍 自分の機械設計の経験が、
どのポジション・どの年収レンジに当てはまりそうか、
あるいは今の会社に残るべきか・転職すべきか悩んでいる方は、
キャリア相談 で、経験の棚卸しとキャリアの方向性を一緒に整理していきましょう。

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