組み込み・制御ソフトエンジニアとは?
組み込み・制御ソフトエンジニアは、車載ECUや産業機械、家電製品など、
「ハードウェアをどう動かすか」を決めるソフトウェア開発の専門職です。
製品の中に搭載されたマイコンや制御ユニットに対して、
- どんなタイミングで
- どの信号を出し
- どう制御するか
をプログラムとして設計・実装していきます。
具体的な仕事内容
扱う製品や業界によって細かな違いはありますが、仕事の流れはおおむね次のようなイメージです。
1. 要求仕様の整理
- 顧客要求・法規制・安全基準などの条件を整理
- 「どんな動作をどの範囲・精度で実現するか」を言語化
- 機械・電気設計メンバーとのすり合わせ
2. ソフトウェア設計
- 状態遷移図・フローチャートなどで制御ロジックを設計
- インターフェース仕様(センサー入力/アクチュエータ出力など)の定義
- タスク分割や優先度設計(リアルタイムOS上の設計)
3. 実装・単体テスト
- C/C++ などでコーディング
- シミュレータ上での単体テスト
- コードレビュー・静的解析ツールを用いた品質チェック
4. 結合テスト・実機評価
- 実機(試作機)にソフトを焼き込み動作確認
- 温度・振動・ノイズなど、実環境に近い条件で評価
- 不具合の切り分け(ハード/ソフト/仕様)と改修
5. 量産フォロー・保守
- 量産立ち上げ後の不具合解析・対策
- 法規制変更・仕様追加に伴うソフト改修
- 派生製品への展開 など
現場の評価や客先評価に立ち会うことも多く、
「机上だけで完結しないソフト開発」という特徴があります。
開発環境・よく使う技術
- 言語:C、C++(一部でRust、Pythonなど)
- OS:リアルタイムOS(RTOS)、組み込みLinux、AUTOSARプラットフォーム
- 開発ツール:各社純正IDE、コンパイラ、デバッガ、ロジアナ、オシロスコープ
- 通信:CAN、LIN、Ethernet、UART、SPI、I2C など
- モデルベース開発:MATLAB/Simulink を用いた制御モデル設計
これらすべてを完璧に網羅している必要はありませんが、
「自分はどの領域に強いのか」を言えると転職では強みになります。
転職市場と年収イメージ
組み込み・制御ソフトエンジニアは、メーカーの中でもニーズの高い職種です。
- 自動車・自動車部品メーカー
- 産業機械・ロボットメーカー
- 医療機器メーカー
- 家電・AV機器メーカー など
多くの業界で募集があり、技術が共通する部分も多いため、
製品分野をまたいだ転職も比較的しやすい職種です。
年収レンジ(あくまで目安)は、
- 20代:450〜750万円前後
- 30代:550〜1,000万円前後
- 40代以降:600〜1,800万円以上(マネジメント・上流専門職など)
といったケースが多く、技術と経験の蓄積に応じてレンジも広がりやすいポジションです。
評価されるスキル・経験
転職市場で評価されやすいポイントの例です。
- C/C++ を用いた組み込み開発の実務経験(何年・どの製品分野か)
- 要求仕様の整理〜設計〜実装〜評価のうち、どこまで担当してきたか
- ECU/モーター制御/通信プロトコルなど、得意分野の明確さ
- モデルベース開発の経験(MATLAB/Simulink など)
- 不具合解析・原因切り分けの実績
特に、「自分が担当した機能」「改善した不具合」「達成した性能向上」などを
具体的な数値やエピソードで語れると、選考ではかなり強みになります。
他職種・未経験からのキャリアチェンジは可能?
完全未経験からいきなり組み込みエンジニアになるのは簡単ではありませんが、次のようなケースではチャンスがあります。
- 電気・電子設計からのキャリアチェンジ
- 生産技術・評価・テストエンジニアからのシフト
- 情報系出身者で、C言語をベースに学び直すケース
その場合は、
- C言語の基礎とポインタ周り
- OSやメモリの基本概念
- 簡単なマイコンボード(Arduinoなど)での個人開発
といった基礎を押さえたうえで、
「なぜ組み込み・制御に軸足を移したいのか」 を丁寧に説明できると良いです。
キャリアパスの例
組み込み・制御ソフトエンジニアのキャリアパスは、だいたい次のようなイメージです。
- 専門性を深めるスペシャリスト(特定領域の第一人者)
- 機械・電気との橋渡しをするアーキテクト・システムエンジニア
- 開発チームをまとめるリーダー・マネージャー
- 顧客提案や要件定義を担う技術営業・PM など
いずれの道を目指すにしても、
「どの製品分野で、どんな課題を解決できるエンジニアになりたいか?」
を早めに意識しておくと、転職や社内異動での選択肢が広がります。
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